エゾシカセミナー・クラフト体験教室
とき 平成27年 8 月 5 日(木)午後5時〜
ところ 占冠村コミュニティ―プラザ 多目的ホール
講師 株式会社 中村千之助商店 代表
参加者 委員及び村内在住者 19名
地域の大切な資源である「エゾシカの皮や角」を有効活用し地域活性化につなげることを目的に、東京都台東区浅草に革製品の店舗を持ち、また一般社団法人エゾシカ協会の会員として活動、道内外で講演なども行っている株式会社中村千之助商店代表の中村高志氏をお招きしてセミナー及び体験教室を開催した。
午後5時よりエゾシカクラフト開発委員会メンバーに一般参加者を加えてセミナーが開催された。まずは中村代表により【1、革とは?2、革の歴史3、作り方の種類4、革の魅力5、エゾシカ革の魅力】の5項目についてスライドを利用した講義から始まった。中村氏の実体験を交えた説明や実際の革製品のサンプルを利用した説明は大変わかりやすく、エゾシカ革への知識を深め、一層の興味を引き立てるのに充分な講義となった。
講義後はシカ革のクラフト体験ということで、「エゾシカ革で作るティッシュカバー」を作成した。クラフト用に使用するエゾシカ革にはあらかじめ紐を通すための穴が開けてあり、クラフトの手順が分かりやすいように説明書も添付してあった。説明書に記載されている説明以外にも接合部に両面テープを使用すると作りやすいと中村氏からアドバイスをいただいた。クラフトの難易度はそれほど高いものではなく、子供の体験学習でも容易に完成させられるものに感じた。参加者はそれぞれ好きな色の革と紐を選びおおよそ30分程度でティッシュカバーを完成させていた。
参加者はクラフト作業中真剣に作業に取り組んでおり、自分の手で作品を完成させた事で達成感を感じられたのではないかと思う。午後6時に第2回エゾシカ開発委員会が開催予定であったが、予想以上にクラフトの時間が長引いたため、午後6時半の開始にずれ込んだ。
第2回エゾシカクラフト開発委員会
エゾシカクラフトセミナーに引き続き、同会場において「第2回エゾシカクラフト開発委員会」が開催された。セミナーで講師をお引き受けいただいた樺村千之助商店代表の中村高志氏と一般社団法人エゾシカ協会の井田宏之氏をアドバイザーとし協議が進められた。
エゾシカ革はもとよりの動物の皮の加工を専門的に扱っている関係で革製品の特性を知り尽くしている中村氏に同席いただいたことで、委員より数多くの質問が飛び交った。
世界的にはまずメジャーな革製品としては牛革・馬革・豚皮でその次に来るのがシカ革になる。それらの中で一番相場が高いのがエゾシカ革となっている。中村氏によるとエゾシカの場合、本州に生息するニホンジカに比較して確保できる個体数が少ないこと、1頭あたりから採れる革の面積が小さいこと、革の状態が良好なものが少ないこと、また安定して供給できるシステムが確立していないことなどによりコスト面でのハンディが大きく、製品として利用するにはあまり向いていない素材だそうだ。しかし柔らかく優しい手触りの革質は評判もよく、大量生産していないせいもあるがかなり高価で販売されているようである。
今回の会議では、今後の多様な製品化を念頭に入れ、染色のし易いタンニンなめしによる加工を、革製品取り扱いの長い経験とエゾシカ加工・製品化について大きな実績のある樺村千之助商店に依頼することとした。
委員長より今後の製品製造アイデアのヒントを得たり、原皮が油抜きやなめし工程を経て製品前のなめし皮になるまでの製造工程についての知識吸収のためにも他の地域や工場・展示場の視察も必要となって来ることから、視察研修事業実施についての検討も進めてゆくので、今後更なる委員各位の協力支援をお願いして第2回目の委員会を締めくくった。
委員会終了後、アドバイザー・オブザーバーを交え、参加者自己負担により交流会を開催、地元エゾシカのローストや串カツなどエゾシカ料理が並び、シカ談義で懇親が図られた。
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